アーティストビザ却下について:経験と教訓

アーティストビザ却下について:経験と教訓

今回の記事は、以前ご紹介したピアニストのアーティストビザが却下についてでした。この経験につ基づいて今回はお話ししたいと思います。これは、アーティストビザの申請を検討している方々にとって、とても参考になる情報だと思います。

アーティストビザとは?

アーティストビザの申請をお手伝い

昨年、私に助けを求めてきたアジア出身のピアニストの女性がいました。彼女は詐欺まがいの移民弁護士に当たり、REF(Request for Evidence)のレターが届いてしまいました。彼女のRFE準備のためのファイル作成を助けてあげました。年末からサポートしてきましたが、残念ながら今年の5月初旬に彼女のアーティストビザ申請は却下されてしまいました。私からみると、もっと色々と準備ができたのではないか?という感想です。残念でした。

アーティストビザ却下の理由と原因

アーティストビザの却下を通告するレターには、かなり具体的な却下理由が記載されていました。以下に、そのクリティカルな部分をシェアします。あまりにも致命的な場合は、再申請のハードルが高く、諦めるケースも多くあります。再申請をせずに諦めて帰国するという

アーティストビザ許可に必要なクリテリア

アーティストビザの許可を得るには以下のどちらかを満たさなければ申請許可はおりません。

  • グラミー賞やアカデミー賞などのメジャーな賞を受賞していること。
  • その他のカテゴリー6つの項目のうち、少なくとも3つを満たすこと。

後者のオプションに関する資料を集めてアーティストビザを申請するが一般的です。彼女の場合、6つのカテゴリーの中で、5つ目と6つ目のクリテリアは満たしていました。 

しかし、もう一つを満たすには他の4つのカテゴリーは資料を集めるには努力が必要です。

REFの中で目立った英単語

アーティストビザ申請で許可を得るために求められる性質3つの英単語が出てきました。この性質を持ち合わせないと許可はおりません。

  • a lead or starring(リーダーシップやスター性)
  • Reputation(評判)
  • Critical(重要性)

彼女には足りないとみなされた内容

リーダーシップとスター性(a lead or starring)

はっきり言ってしまうと「スター性がない」ということです。彼女は才能あるピアニストでしたが、業界内で特に目立つ存在ではありませんでした。アーティストビザを取得するためには、リーダーシップや他人を引きつけるスター性が求められます。その印象を与えるのは非常に難しいかもしれません。私が思うには、リーダーシップ力はかなりアメリカでは必要とされます。他の人を巻き込んでプロジェクトを行うなどの行動力が必要ですね。例えば、私は自身がキュレターになってコンサートを開いたり、人と人を繋ぐなどの行動をしました。そして、それは

評判(Reputation)

初回の申請時に、彼女は自身のプロモーションに十分に注力しませんでした。具体的に言うと、彼女の演奏記録には告知やオンライン上の情報が全くない状態!また、彼女の演奏に関するレビューやクリティック記事もありません。私は年末から限られた時間の中で、どんなに小さなコンサートでも良いから参加し、レビューを書いてもらうように指示しました。でも、彼女は私の言う通りにできませんでした。アーティストビザを取得するにはメジャーな雑誌や新聞の記事に掲載されたにといけません。

重要性(Critical)

彼女の仕事は、有名大学のピアノ伴奏者としての役割でした。しかし、それは「有名大学の職員の一人に過ぎない」という評価を受けてしまいました。また、実はピアノ伴奏という仕事自体がサポーティング・ロール。アーティストとしてアピールするには弱い職業です。もしも、伴奏者として申請する場合は、もっと華やかなフライヤーや著名人とのコラボレーション記録が求められます。例えば、メトロポリタンオペラに所属するシンガーの伴奏。または、ミュージカルなど。

これは、よくある却下理由に当てはまります。アーティストがよく勘違いしてしまう点です。と言うのは、有名な場所に所属しているからと言って、個人的に評価されるわけではありません。

アーティストビザが却下された場合の対処法

もしもビザが却下された場合、滞在ビザがない場合は即出国しなければいけません。もしも、再申請を希望する場合は、却下された日から33日以内に別のフォームで申請できます。このプロセスには、信頼できる弁護士のサポートが必要です。

まとめ

私のサポートにもかかわらず、彼女はアーティストビザを取得できませんでした。限られた時間の中で膨大な資料を集めることは本当に大変なことです。でも、却下されてしまったら切り替えるしかありません。彼女にはアメリカ人のパートナーがいるそうで、今後は結婚による永住権申請を試みてみるそうです。無事、グリーンカードを取得できますように。

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