サンタフェ駅での人生を変えた出来事

サンタフェ駅での人生を変えた出来事。黒人のおじいちゃんの一言が効いたお話。

今回は、カリフォルニア州のサンディエゴにある青い文字と白色の壁で綺麗なサンタフェ駅付近での出来事です。もう20年前のお話なので、場所や風景などは曖昧です。多分、その近くのハーバーでの出来事だったと思います。そこで素敵な黒人のおじいさんに勇気付けられました。

カリフォルニアにいた時期あり

私は、渡米一年目はカリフォルニア州に住んでいました。しかし、時間のゆっくり過ぎるこの州は自分に合っていませんでした。雪国出身の私は、四季折々の景色が恋しくなり、またのんびりとした雰囲気よりも忙しい街の方が合っていると確信した年でした。

日本に一旦帰国を決め、帰国前にカリフォルニアのひとり旅を決意。迷いがありながらの旅だったので答えを探す旅でもありました。目的地は、メキシコのティファナ。危ない街ではあるけれど、国境を一人で歩いて渡ってみるという20歳の日本人女子には危険すぎるチャレンジでした。

[米同時多発テロの日はカリフォルニアで知る]

]

[日本の一人旅もいいです 北海道へ行こう]

サンディエゴへ向かう

某出発駅からサンディエゴへアムトラックで向かいました。そして、数時間かけてサンタフェ駅到着。着いた日は、青空で日差しが強い日だったと思います。私はそこから一人でテクテクと歩きました。そこからトローリーに乗り換えてメキシコとの国境まで行く予定でした。

サンタフェ駅の写真

すると聞こえてくる歌声

すると、なんだかとても上手い歌声が聞こえてきました。ジャンルでいうとR&Bです。黒人の男の人の声でした。それは、とてもしゃがれた声でした。ブルースに近いような?日本人の私にとっては凄く新鮮でアカペラの声にワクワクしてしまったのです。

まえがみ

誰が歌ってるのだろう?

歌の聞こえる方へ歩いて行くと、老いて体の小さくなった黒人のおじいちゃんが座って歌っていたのです。どこか遠くを見つめて歌っていたのが印象的なおじいちゃんでした。周りには人気はなかったと思います。

声を掛けてみた

私は、おじちゃんのところへ近づいて行き、「歌 上手ですね」と声を掛けたと思います。するとおじいちゃんは「Thank you」と言ってくれました。見た目はとてもお金のあるような感じには見えませんでした。ボロボロの服だったと思います。でも、なんだかすごく楽しそうだったので声を掛けてしまいした。「どうしてそんなに上手いの?」と聞いたと思います。多分。それか、「どうしたらそんなに上手くなるの?」だったかも知れません。当時の私の英語はカタコトでした。

You keep singing, you keep singing、keep going

とおじいちゃんは言いました。この台詞が脳裏に焼き付いています。彼は難しい英語を話すわけでもなく ただそれだけ言っていました。その時に「続けることが大事なんだ」と教わったんだと思います。Keep Singing Keep Goingって言うのは日本の言う「続けること」です。しかし、ニュアンスとしてもっとシンプルに聞こえました。その延長線上に今の自分がいます。そして、今も音楽を続けています。彼の一言で私はスッキリし、メキシコ国境へ向かったのでした。

シェアする