アファーマティブアクション|米連邦最高裁の判断は正しいのか?

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アファーマティブアクション|米連邦最高裁がまた保守寄りに

三権分立の1つである米国連邦裁判所が昨日入学選考でアファーマティブアクションに制約をつけました。ヤフーの今回のニュースの訳し方は納得いきません。特定の人種に優遇な処置ではないです。「優遇」の意味は手厚く待遇するという意味です。

もっと直訳して欲しいです。わかりやすくいうと、主観で人種や移民というだけで差別をしない法律です。黒人だからという理由だけで落とされることが過去あったということです。それは、日本人だからダメと言われるのと一緒のことです。そして、個性や能力は十分にあるのにも関わらずです。

こういう問題を防ぐ処置なのに中途半端な訳し方や報道はやめてほしいと思います。基本的に、ハーバードやノースカロライナ大学へ入学希望をする人は、すでに十分な実力のある学生が申請します。逆にいいます。ハーバードやノースカロライナ大学へ申請するまでに至らないです。私はニューヨークで勉学に励む生徒を見ているので、優秀な大学へ行くことがいかに大変なことがわかっています。

アファーマティブアクションってなに?

アファーマティブ(affirmative)は主に「肯定的」「積極的」と訳される英語の形容詞(または名詞)。 「アファーマティブアクション」は「積極的格差是正措置」と訳され、社会的弱者を積極的に救済し格差を是正する取り組みです。皆さん勘違いしているのは、マイノリティーだからといって選ばれるわけではないでのです。実力があった上で平等な視点で、主観的でなく対応することです。「優遇」という訳が勘違いを生むのではないでしょうか?

正しい情報を入手する 日本のメディアは偏っている

なので英語が読めるようになることが必須なのです。訳し方で解釈が全く変わってくるのが残念です。このヤフーのニュースだとあたかも民主主義としては米国連邦裁判所が正しい判断を下したというような印象ですね。確かに正しいと思っている人もいるようですが本当にそうでしょうか?問題なのは大学入試で「主観的」に落とされるということは怖いことではないでしょうか?

人ごとではない内容

自分のお子さんをハーバードや優秀な大学へ送りたいですね。しかし、この概念が広がると、自分のお子さんがアジア人だということだけでもっと差別される可能性が出てくるということです。トランプ元大統領は「これで実力主義になる」と言っています。違いますよ、彼が意味しているのは「これで白人至上主義に戻る」ということです。

例えば、私の友人は今回の対象になったハーバードとノースカロライナ大学のうち、後者の大学へ行った人がいます。かなり優秀な大学です。彼女自身も成績トップの子でした。しかし、彼女はそこで白人に差別され楽しい大学の思い出がありません。彼女はその後コロンビア大学の院へ行きました。ニューヨークでの生活は謳歌したようですが、ノースカロライナでの出来事は悲惨だったようです。完全に無視され、透明人間(インビジブル)のように扱われたそうです。ちなみに、コロンビア大学は、かなりリベラルなので今回の判断が影響しないことを願います。

共和党が6人 | 民主党が3人

現在の米国連邦裁判所は共和党が6人、民主党が3人で構成されています。そしてどちらにも黒人がいます。今回の件ではその二人がそれぞれの黒人としての立場でかなりもめたようです。ニューヨークタイムズの記事で興味深い内容が書かれていました。記事はこちら

ロー対ウェイド法覆る

去年の今頃、女性の中絶する権利が奪われた州が出てしまいました。この時も、保守派が力をもつ最高裁が下した判断です。現在でも問題は解決していません。

アメリカは白人と黒人という問題を抱えていますが、このアファーマティブアクションは、他のマイノリティーも含まれます。ニューヨークタイムズでは黒人やヒスパニック対象となっています。しかし、私はアジア人も含まれる可能性は出てくると思います。それは、州がどれだけ共和党寄りかで決まってくるので、大学を選ぶ際は本当に注意した方が良いです。

優秀なマイノリティーをまじかで見るNYC

どうしてまえがみがこのような考えになるのか?それは、ニューヨークではマイノリティーの実力が凄いからです。昨日の記事では、残念ながら黒人による犯罪の記事となってしまいました。しかし、実力がある黒人、または女性やLGBTQに圧倒される瞬間は本当に多いからです。マイノリティーだから凄いのではなく、個人としての実力が他の人よりエクストラオーディナリー(卓越した能力の持ち主)だということです。そういう人たちがマイノリティーの中に見受けられるということです。人種がどうだからとか、国籍がどうだからというのが全く関係ないと実感するのがNYCだと思います。

例えば、ユダヤ人や華僑や印僑

現在、世界の経済を担っているのは迫害されてきた、差別されてきた人種です。ユダヤ人、中国人、そしてインド人。あの有名なメディチ家はドイツからではありますが元はゲトーに住んでいた貧困民のユダヤ人でした。ユダヤ人(金融)、中国人(商業)、インド人(IT) はアメリカへ移民として貧困状態で根を下ろし、子供達を優秀な大学へ行かせ、大成功を納め、現在もアメリカの経済を支え続けています。マンハッタンにはこの人種が多くて驚きます。私の生徒もインド人や中国人がいます。今度、移民で来た中国人の子供たちがいかに勉強するかの記事も書けたらと思います。

黒人やヒスパニック

黒人は悲惨な過去がやはり負の連鎖を引き起こしています。南北戦争が起こった頃に白人に優遇された黒人の子孫は成功している人も多いです。しかし、奴隷として人間として扱われなった人たちの子孫は現在も賃金の低い労働環境から抜け出すのは簡単なことではありません。またヒスパニックも劣悪な環境から移民してきてアメリカに根をおろすのは大変なことです。また、宗教や文化、国民性、複雑な要因が絡んで教育面で伸び悩んでいるのも事実です。しかし、その中でも優秀な人はいるのです。

国力を伸ばしたいのなら今回の判決はマイナス

本当にアメリカの国力を伸ばしたいのであれば、今回の判断はマイナスに働くと思います。アメリカは個人主義。個人の能力が認められてこそ、今の強い国があるのです。アメリカは移民の国なのです。多様性があるからこそ、様々な発想が生まれるのです。

まとめ

今回は米連邦裁判所が下したアファーマティブアクション制約に関しての記事でした。日本から見たら関係ないと思うけど、私はアメリカに住んでいるので共和党寄りの軌道修正は怖いです。それは、私も一移民だからです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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